2023年11月16日
· DP World社に対するサイバー攻撃により、オーストラリア全域で港湾業務が中断
· 停泊時間への影響が最小限であったことからわかるように、サイバー攻撃による港湾の船舶処理能力への影響は最小限
· 輸入の滞留はサイバー攻撃の影響を受けており、オーストラリアの一部の港では60%も増加
オーストラリアの大手コンテナターミナル運営会社であるDP World社は、11月10日から13日にかけてサイバー攻撃を受け、一時的なサービス中断に見舞われました。現在は業務を再開しているものの、約3万個のコンテナの滞留が発生していると推定されます。現在もサイバー攻撃について調査を継続し、セキュリティ対策を強化しているものの、DP Worldは潜在的な混乱が続く可能性があると警告しています。
11月15日現在のブリスベン港、メルボルン港、シドニー港の接岸時間の週間中央値を分析すると、サイバー攻撃の影響は限定的なようです。とはいえ、シドニー港は最近最高の接岸時間を記録しました。一方で、ブリスベン港の中央値は10月29日の週を下回ったままであり、メルボルン港は前週を下回る傾向にあります。若干の上昇はあるものの、サイバー攻撃は港湾の船舶処理能力に大きな支障を与えていないと言えます。
サイバー攻撃による顕著な影響は、船舶からのコンテナ搬出時間の延長にあります。週間輸入滞留時間の中央値を見ると、混乱の結果、ブリスベン港では60%増加、シドニー港は53%増加、メルボルン港は32%増加となっています。これは、コンテナが一時的に港から搬出できなくなったことによるもので、船舶からの荷揚げは可能であったが、ターミナルからの引き取りはされなかったという状況が垣間見えます。
港湾業務が徐々に通常に戻るとしても、予想される滞貨が港の滞留時間は長引く可能性があります。今回の混乱は比較的短期間であり、また、海上貨物は現在低調なシーズンであることもあり、project44は、船舶の停泊時間が永続的な影響を受けることはないと楽観的な見方を示しています。
このオーストラリアでの出来事は、日本の名古屋港に続いて今年2件目の港湾への大規模なサイバー攻撃となりました。本件により、サプライチェーン業界に対する包括的なサイバーセキュリティ教育の重要性、効果的なサイバー安全対策の活用と維持、混乱時の手作業処理のための緊急時対応計画の必要性が高まっていることが感じられます。テクノロジーがサプライチェーンを強化する一方で、こうした出来事は、堅牢で回復力のあるサイバーセキュリティ・インフラの必要性を強調するものです。
project44について
project44は、サプライチェーンを機能させることを使命としています。製造、自動車、小売、ライフサイエンス、食品・飲料、石油・化学・ガスなどのトップ企業を含む1,200を超えるブランドの年間10億件以上の出荷を追跡しています。project44を利用することで、世界中の荷送人と運送会社は、予測可能性、回復力、持続可能性を高めることができます。詳細については、https://global.project44.com/ja を御覧ください。
免責事項:ここに記載されている情報は、project44 と第三者機関による報告の両方から得られたものであり、契約上の目的ではなく、あくまでも概要として共有されています。project44のデータには、入手可能なすべての市場情報が含まれているわけではなく、project44は第三者による報告を独自に検証することは行っていません。同様に、この種のデータは日々変化します。したがって、読者はこの報告書に依拠してビジネス上の意思決定を行うべきで はなく、project44 はかかる依拠から生じるいかなる責任も明示的に否認します。
Se você tiver alguma dúvida sobre a project44, solicite uma demonstração.